新入社員育成

企業は人なり。僕もそう思う。

取引先の様々な職層の方々に教育する事は、僕が請け負う仕事の大事な一つである。そして、冒頭申し上げた通り、企業を現すのは人であるというように考えている。集団を形成する個のカラーというものが群れとなり、集団の色を何色にも染め上げる。そこに新たに加わる人、そして、取引先など。堕ちゆく企業、成長してゆく企業もまた色があってしかり。

この春、学校を卒業して取引先に入社した新卒社員が15名ほどおり、そのうちヘッドオフィスに勤務する1人を僕が約1ヶ月ほど預かる事になった。はてさて、フレッシュな、眩いばかりの白いキャンパスに、僕は先ず何色を入れるべきだろうか。

最初に手を入れたのはラフスケッチ。取引先の会社説明とグループ会社の紹介、そして、企業群としてのグループの全体像、更には、企業群を取り巻く業界の動向について取引先の新入社員用資料を用いながら大枠としての俯瞰図を眺めてもらった。その上で、各部署のミッション、ヘッドオフィスが果たす役割、そして、顧客と彼女と個人へフォーカスしていく。自らがこの大きな地球船の乗組員の1人であり、社会人として社会に参画する1人であることを説く。

座学もほどほどに本日は取引先の主要拠点を彼女と見て回った。顧客の接点となる売り場、取引先の試み、道中は、商流についてイメージを膨らませて企業群のバリューチェーンについて思いを馳せながら、顧客への価値の創出の有り様と分業体制の現況について理解を深めてもらった。

本日、終業時間の鐘がなる頃、一日の学んだ事に関するレポートを受け取る。書く事は良い事だ。書き出してみると、意外と自身が何を知り、何を知らないかを確認することができる。そして、書き、読み改める行為は脳を刺激し、新たな知を自らに植え付ける。人は、いや動物全般が、学ぶ事によって成長が促進される。学ばない事は死に等しい。

来週からの教育カリキュラムは6割方決定した。その1つに僕はカスタマーセンターでのOJTにこだわった。顧客との接点という前線に立ち、顧客と対峙する事。顧客の声に耳を傾け、オーダーに応える事。企業の生命線をいつまでも見失ってはいけない。幾つになっても、社会人になりたての頃の記憶というものは、脳に、そして、胸に残り続けるものだ。仕事をする上で大事な事が何か、露頭に迷う事もあるだろうから、原点回帰する際の原点がどこかは僕にとって重要なことの一つだ。顧客を笑顔にすること。取引先の経営理念であるすべての判断基準に近い場所に身を置き、トレーニングをすることは、どのような部署で今後働く事になったとしても、活かされるはずであると僕は思う。

新入社員をどのように育成すべきか?

僕はその清廉潔白な何色にも染まっていない大きなキャンパスに、ダイナミックに笑顔を表す明るめのオレンジを入れ、差し色に情熱を示唆する赤を入れてみた。彼女に光ある輝かしい未来がありますようにと願いを込めて。

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