自分次第

長く仕事をしていると誰も手をつけない仕事というものと遭遇するケースがあります。誰かやればイイのに…、と思う反面で、これは自分の仕事では無いという組織の壁があり、時折、もどかしい気持ちに苛まれることも決して珍しくは無いでしょう。特にコンサルタント業務のように主たる職務が助言業務に限定されるような職掌範囲ではなおさら。

このような時、はてさて、どうすべきか。

この答えは人によって異なりますが、私見を申し上げれば、誰もやらないなら自身がやる、というものです。山本五十六の格言の中でも著名なものとして、次のようなものがあります。

「やってみせて、言って聞かせて、やらせて見て、褒めてやらねば人は動かじ。」

先ずは、やってみせることも大事なのだろうと職掌を越えて、時には、仕事を取りに行き、遂行することの大義はここにあるように思います。

なぜなら、組織とは一つの目標に向かって、何かを成すために集まり、組織化されており、当該行動が組織の向かう先の目標に叶うのであれば、誰がやっても良いじゃないか、やらないよりはマシと僕は考えています。サッカーであればゴールキーパーが時には得点しても良いですし、野球であればサードがショートゴロを捌いても良くて、見失ってはいけないのは、自他の守備範囲ではなく、チームの勝利のはずです。しかしながら、ビジネスシーンにおいては、この考え方が中々浸透しません。

鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。
卵は世界だ。
生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。

(デミアン・ヘッセ)

何で誰もやらないのか、と騒いでいるだけでは物事は前進しません。そして、その事を取り上げて他者を批難してみたところで、それがチームへの貢献なのかは甚だ疑問です。ほら、言った通り失敗した、と自慢げに語り回ったところで、それは何らチームの勝利には至っていないのですから。成らぬは自らが為さないから。何事も自分次第なのです。

自分の仕事ではないと知りつつも、他者に協力を惜しまない勇気有る者こそ、真に組織にとって重要な人材ではないかと僕は考えています。

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