10周年

創業から10年を迎えました。
多くの人に支えられて、この日を迎えられたことに感謝申し上げつつ、今日は個人的な日記かねがね所感を綴ってみたいと思います。

1. イメージとは程遠い場所
起業した2011年は東日本大震災直後のことで、それ以前から起業準備をしていた者としては当然に面食らった。今まで当たり前にあった電力が計画停電など誰が予想できたろうか。
そして、そういう何十年、何百年に一回の厄災を含め、全ての不利益は当人の能力不足。不測の事態を見積もれなかった自身の甘さは、反省すべき点であるし、また起業のタイミングはそういう意味で僕は幸運だったと思う。あと数ヶ月、あの天災が遅れてやってきていたら…。
そうして僕の初陣は進路変更を余儀なくされ、当時思い描いた未来とは随分と遠い所に来たように思う。
いま、世界はコロナ禍の真っ只中にあり、この見えないトンネルの出口を見出さんと多くの人が彷徨っているわけだが、今のところ僕らは大きな影響を受けることもなく、順風満帆に航行を続けられていることは救いなのだろう。
運という手綱に引き寄せられ、今、過去に思い描いた場所とは随分と遠い地に辿り着き、では不満かと問われれば、否。住めば都で、今の自分、今のメンバーには我ながら恵まれていると思うのである。

2. 我を貫き、意地を通す
人は皆それぞれ大なり小なりの思い描いた未来がある。そして多くの人が、困難に打ちひしがれ、抗っている。思い通りの人生の道を容易く歩いていける人というのは実はいなくて、それは目を背けていたり、何かを諦めるのでは無いかと思う。その代償として、何かを拾い上げる。
僕が選択したのは、我を貫き、意地を通すこと。高みを目指すことは、孤高ということ。他者の目を気にせず、自己の信念を曲げず、生きていくこと。自分の正義という規範に沿って、弱い自分に負けそうな時も自らを奮い立たせ、前に進もうと重い一歩を踏み出すこと。
そういう行為が、時として、周囲に迷惑をかけることがある。空気読めよ…、と。そういう自分と社会との差分をある程度知っていた幼い僕は、起業という道を選択した。自分を捨てて何かを与えられるより、多くのものを失っても自分で在り続けようと人生に抗う。
皆が皆、同じ考えをもってしまうと、それはそれで大変だ。笑
だから、一定程度、僕みたいな輩について行こうとしてくれる人達がいる。そのお前の思い描く未来は今よりも少し面白そうやなと。

3. 十年の歳月を経て知ったこと
他者を受け入れることの大切さを人生の折り返し地点でようやく知る。前述の通り、僕はデジタルモンキーズという組織を作る上で最も重要視したことは、価値観の合致度や近似性。組織の進路や様態を決定したりする要素は、組織を構成する一人一人の美学の共通性にあると信じてやまない。そして、その事にこだわるあまり、排他的で独善的な採用活動をしてきたように振り返る。その過ちに気づいたのは、40になってからのこと。未知を既知に変えることを唱える僕が、こと自らが創らんとする組織においては知らず知らずのうちに、未知を吸収することに怯えていたのでは無いかと思い至る。そうして、ダイバーシティの本質に対する理解の少なさを知る。
自分の考えが理解されない事を許容できず、自らが組織を100%コントロールできなくなることを忌み嫌い、気の合うメンバーを自身の周りに置くことで偽りの安息を得る。そうしていつしか自身の成長の可能性すらも遠ざけていたのだろう。
そして、昨年、closedな採用活動からopenな求人活動へと、ようやく採用戦略を大きく転換し、一人また一人とパーティーを増やしていった。僕という人を知らない人を雇い、多くの意見交換をし、教え、教わり、法人デジタルモンキーズは新たなステージに向けて歩み始めたように思う。
相変わらず採用基準は厳しいと思ってはいるけれど。笑

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